遺産分割協議の注意点
- 遺産分割協議とは?
- 被相続人が亡くなった後、相続人全員で遺産の分け方を話し合うこと。
- 遺言書がない場合や、遺言書に記載のない財産がある場合に行う。
- 全員の合意が必要で、合意内容を「遺産分割協議書」にまとめる。
注意点① 相続人全員の参加が必須
- 法定相続人全員の合意が必要(1人でも欠けると無効)
- 事前に戸籍謄本を取得し、相続人を確定する
- 認知された子や行方不明の相続人にも権利があるため注意
- 未成年者がいる場合は、特別代理人の選任が必要
注意点② 遺産の全体像を明確にする
- 相続財産を すべてリストアップ(預貯金、不動産、株式、借金など)
- 負債(借金・未払い税金)の有無も確認(相続放棄の検討も)
- 財産目録を作成し、相続人全員で内容を共有
注意点③ 分割方法を適切に決める
- 現物分割(財産をそのまま分ける)
- 換価分割(財産を売却し、現金を分配)
- 代償分割(一部の相続人が取得し、他の相続人に代償金を支払う)
- 共有分割(不動産などを共有するが、後々トラブルになりやすい)
注意点④ 税金・費用の考慮
- 相続税が発生する場合、10ヶ月以内に申告・納付が必要
- 不動産の取得には登録免許税・固定資産税がかかる
- 株式や投資信託の相続には譲渡所得税の影響も考慮
- 換価分割(売却)をする場合、売却時の譲渡所得税に注意
注意点⑤ 遺産分割協議書の作成
- 口頭の合意ではなく、必ず書面で作成
- 相続人全員の署名・押印(実印)と印鑑証明書が必要
- 金融機関や不動産の名義変更に使用するため、正確な記載が必要
- 内容に不備があると無効になる可能性がある
注意点⑥ 遺留分の侵害に注意
- 遺留分(最低限の取り分)を侵害していないか確認
- 配偶者・子:法定相続分の1/2
- 親:法定相続分の1/3
- 遺留分を侵害された相続人は「遺留分侵害額請求」ができる
注意点⑦ 争族(相続トラブル)を避ける工夫
- 話し合いの進め方に配慮する(感情的にならないよう注意)
- 専門家(弁護士・税理士・司法書士)の助言を受ける
- 事前に「遺言書」を作成しておくとスムーズ
注意点⑧ 期限と手続きを守る
- 相続放棄・限定承認は 3ヶ月以内 に家庭裁判所で手続き
- 相続税申告は 10ヶ月以内 に税務署へ提出
- 不動産の名義変更は 早めに登記手続きを行う(放置するとトラブルのもと)
まとめ
- 相続人全員の合意が必要
- 遺産の全体像を把握し、負債も含めて検討
- 分割方法を慎重に選び、税金の影響も考慮
- 遺産分割協議書を作成し、正式な手続きを行う
- トラブルを避けるため、冷静に話し合いを進める
円滑な遺産分割のために、専門家への相談も積極的に活用することが大切です。