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    Webライターの企画力は
    「パクリ」×「遊び」で磨ける!

    2020.01.29

「編集者/ライター」の境界線はなくなりつつある

筆者はWebライターとして活動をスタートさせたのち、様々なWebメディアでメインライターを担当。現在はオウンドメディアの編集長兼ライターを務めるかたわら、大手ビジネス出版社の外部ライターとして企画・取材・執筆も担当しています。

そんな筆者の肌感覚として、ここ1〜2年でWebにおける編集者とライターの境界がなくなりつつあると感じています。

今までは専ら「発注された内容を書く」が仕事だったライターですが、今後はオリジナリティの高い企画を提案したうえで、これまで以上に質の高い記事の作成が求められるでしょう。

しかし、文章そのものの質はライターの本分ですから別としても、企画力を求められるとなれば「何から始めればいいんだ?」と思う人も多いはず。何を隠そう、筆者もそのうちの1人です。

そこでここでは、筆者が試行錯誤を繰り返す中で、現状一番シンプルでわかりやすい企画の立て方だと感じている「パクリ」と「遊び」を組み合わせた方法について解説します。

編集者などから「企画もお願いします」と言われて困っているライターにとって、何かしらのヒントになれば幸いです。

Webライターにも企画力が求められる時代

Webライター、特にオウンドメディアを中心に仕事をするWebライターには、これまで企画力が求められてきませんでした。

かつてはGoogleのアルゴリズムが比較的単純で、キーワードの数やリンクの数で上位表示ができたからです。企画の質が低くても、マーケターがキーワードをリストアップして、そのキーワードを含むコンテンツを作成すればよかったのです。

しかし近年のアルゴリズムは、より複雑なコンテンツの質が判定できるようになっているので、質の低いコンテンツは上位表示から的確に外されるようになりました。

よりオリジナリティが高く、より読者にとって有益なコンテンツでなければ、上位表示されなくなったのです。

またAI技術の発達も、Webライターに「書く以外」のスキルが求められるようになる要因です。例えば日経新聞社はAIを使った決算書類作成サービスを提供していますし、米AP通信はスポーツ記事の作成にAIを活用しています。

もちろんこれらの技術はまだ発展途上ですが、今のイノベーションのスピードを考慮すると「量産型のSEOコンテンツ程度ならAIライターで十分」という時代はそう遠くないでしょう。

こうした状況を考えると、今後もWebライターとしてやっていくためには、書くスキル以外に企画を立てるスキルも求められるようになると言えるのです。

「パクり」×「遊び」で企画力を磨く、というアイデア

ただこれまで企画力を求められてこなかったWebライターがやみくもに企画に挑戦しても、たいていうまくいきません。なぜなら、企画の立て方を自分の中で仕組み化できていないからです。

行き当たりばったりで書く文章が支離滅裂になるのと同じように、企画立案のための仕組みが自分の中にない状態で企画を立てても、良いアウトプットはできません。

ではいったいどうすれば企画力を磨くことができるのか。筆者がその第一歩として提案したいのが、「パクり」×「遊び」で企画力を磨く、というアイデアです。

「パクり」×「遊び」というといかにも不真面目に思えますが、多くのクリエイティビティがこの2つで構成されています。

ポストモダン芸術として知られるマルセル・デュシャンの『泉』は、既製品の便器をパクってきてちょっとだけ手を加え、タイトルで遊んだアート作品です。

ポップアートの旗手として知られたアンディ・ウォーホルの作品は、既存の缶詰やマリリン・モンローの写真をパクり、数を増やしたり、色を変えたりして遊んだ結果と言えます。

実は子どものゲームの中にも「パクり」×「遊び」の要素はあります。例えばケイドロ(ドロケイ、タンテイなどとも呼ばれます)は、警察側と泥棒側に分かれ、前者が後者を捕まえていくゲームですが、細かいルールは地域によって少しずつ変わります。

これはゲームの原型をパクったうえで、各地域でアレンジという名の「遊び」が加えられているからです。トランプやボードゲームを使って、オリジナルのゲームを作った経験のある人もいるのではないでしょうか。

「企画力を磨く」というと身構えてしまう人もいるかもしれませんが、本質的には子どもの遊びと同じ。そこさえ押さえていれば、あとは場数を踏んで「何をパクるか」「どう遊ぶか」の技術を磨くだけ。難しく考えすぎる必要はないのです。

「パクり」×「遊び」を実践してみよう

以下では「フォーマット」「テーマ」「ネタ」の3つを、「パクり」×「遊び」を通じて企画立案に役立てる方法を紹介します。

いずれについても忠実に実践する必要はなく、自分がやりやすいようにアレンジしてもらってかまいません。それも含めて「パクり」×「遊び」を実践してみてください。

●フォーマットをパクって、内容で遊ぶ

『東大で25年使い続けられている「自分の意見」の方程式 最強のアウトプットの作り方』によれば、「事実」+「問題(話題)」+「自分(の見解、立場)」+「提案」の4つの要素を、この順番で書くことで意見文を作ることができます。

またシナリオライティングの参考書としてベストセラーになっている、シド・フィールド著『映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと シド・フィールドの脚本術』には、「状況設定」+「葛藤(事件)」+「解決」の3つの要素を、この順番で書くことが映画脚本の基本だと書かれています。

こうした文章を書く際の「フォーマット」は、実は企画を考える際にも役立ちます。「事実」+「問題(話題)」+「自分(の見解、立場)」+「提案」なら、例えば以下のような自問自答をすることで、企画を立てることができます。

・どんな事実を出発点にするか?ネット記事か?書籍か?それとも専門家の論文か?
・事実のどんな点を問題視(話題に)するのか?注目するのは個人?組織?社会?
・書き手(自分)の見解や立場はどんなものか?読者に寄り添うのか?それとも教えさとすのか?
・どんな提案をするのか?具体的な案を提示するのか?それとも抽象的な議論に止めるのか?

フォーマットをパクり、各要素の内容を自分なりに遊ぶことで、企画を組み立てていくのです。

なお、このやり方で企画を立てると編集者やクライアントにも提案しやすい、というメリットもあります。

●テーマをパクって、ネタで遊ぶ

フォーマットよりも大きな枠組みで企画を考えるときに使うのが、テーマ×ネタの組み合わせです。

例えば「ビジネス」「人間関係」「人生観」もテーマですし、「人脈の作り方」「恋人の作り方」「仲間の作り方」もテーマです。「仕事に役立つ仲間づくり」「人生を豊かにする仲間づくり」もテーマになりうるでしょう。

こうしたテーマはインターネットで検索すれば、いくらでも見つかります。

ビジネス系のテーマが欲しいなら、ビジネス系のWebメディアに、人生観についてのテーマが欲しいなら、ライフハック系のWebメディアに行けばOK。大型書店で該当する書棚に行っても見つかります。

パクるテーマが決まったら、それと色々なネタを組み合わせていきます。試しにテーマを「人生を豊かにする仲間づくり」にして、以下のようなネタと組み合わせてみましょう。

・社会心理学者の新しい研究結果
・哲学の古典からの引用
・Amazonの自己啓発本ランキング
・厚生労働省の人口動態調査
・脳科学者の新しい研究結果
・最新の人工知能ツール
・人気のオンラインサロンランキング など

ネタのオリジナリティが高いほど、企画の独自性も高まります。ただし、必ずオリジナルの情報でなければならないという話ではありません。

大切なのはテーマ×ネタの組み合わせにオリジナリティがあるかどうかだからです。

仮にテーマとネタがいずれも既出の情報だったとしても、そのテーマとネタの組み合わせがどこにもないものなら、そこから生まれる企画は十分オリジナリティがあると言えます。

遊び感覚で色々と組み合わせを試してみて、「これだ!」というものを探してみましょう。

●ネタをパクって、テーマで遊ぶ

ホリエモンこと堀江貴文氏の著書は、自身が発言しているように、既存の堀江氏の発言をゴーストライターがテーマに沿って再構築し、一冊の本にしています。

つまり既存の堀江氏の発言からネタをパクってきて、テーマで遊ぶことで新しい企画を生み出しているのです。

このように同じネタでもテーマ=切り口を変えるだけで、企画は大きく変わります。ただこの時のテーマも、自分でわざわざ考える必要はなく、パクってくればOKです。

前述した通り、大切なのはネタとテーマの組み合わせにオリジナリティがあるのか、面白さがあるのかです。

先ほどと同様、色々な組み合わせをリストアップしてみて、各組み合わせで記事を作った場合に、どんな内容になるかをイメージしてみましょう。

企画力を磨いて「編集の領域」に食い込む存在になる

質の高い企画を立てる作業には、質の高い文章を書く作業とはまた違う難しさがあります。

そのため文章がスラスラ出てくる人でも、最初は1つ企画を出すまでに時間がかかったり、労力のわりには良い企画が出せなかったりすることも多いと思います。

こんな記事を書いている筆者も、百発百中で良い企画が出せているのかといえば、そんなはずもなく……。

しかし、前述した通り、これからはライターにも本格的に企画力が求められる時代になっていきます。「難しいから放り出そう」というわけにもいきません。

どうせやらなきゃダメなら、編集者の仕事を奪うくらいの勢いで企画力を磨いていったほうが、早く身につきます。

「パクり」×「遊び」の思考をたくさん積み重ねて、より編集側の領域に食い込むライターを一緒に目指していこうではありませんか。

鈴木 直人

フリーランスライター◇1989年生まれ、大阪市在住。2014年4月よりライター活動を開始し、主にウェブメディアにて執筆。ジャンルは多岐にわたるが、ビジネス啓発、筋トレ、リサイクルには特に強い。電子書籍の執筆経験もあるほか、2017年からは大手ビジネス出版社の外部ライターとしても活動。構成力、取材力において高い評価を受けている。

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