新たに見つけたミッション。英語は夢を実現する飛行機
米国防総省勤務の経験活かして英会話スクールを開業した中野敬子の仕事と人生
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新たに見つけたミッション。英語は夢を実現する飛行機
米国防総省勤務の経験活かして英会話スクールを開業した中野敬子の仕事と人生
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川崎市に英会話スクールを開校した中野敬子さんは、過去には防衛省に勤務し、政府要人と世界のリーダーたちの間で通訳を行っていたというキャリアの持ち主。国際政治の最前線で活躍していた中野さんの転機のきっかけとなったのは、海外の人々と交流する中で感じた日本人の「英語」コミュニケーション力への危機感でした。彼女が見つけた新たなミッションとは……? お話を伺いました。

JOB英語を日本人のもうひとつの言葉にしたい

──英会話スクールを始めたきっかけについて教えてください。

私はもともと、防衛省で国際広報や情報分析、大臣や政府高官たちの通訳など、諸外国と関わる様々な仕事をしていました。

防衛省で15年間働いている間に、日本人として初めて米国防省ペンタゴンにも勤務しました。
世界のリーダーたちと関わる現場で、たくさんの刺激を貰いましたね。

一方で、諸外国の人々が英語を使って積極的にメッセージを発信し、グローバルな存在感を増している中、
相対的に日本の存在感や影響力が低下しているのでは……という強烈な危機感を覚えたのです。

中学・高校と少なくても6年間は英語を勉強し、知識は十分あるにもかかわらず、日本人は残念ながら
英語でコミュニケーションを取るのが苦手……
この日本の現状をどうしても変えたいという思いから、防衛省を辞めて英会話スクールを開業しました。
開校して今年で4年目になります。

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──中野さんが立ち上げたダイアモンド ランゲージスクール(DLS)では、どのように英語を教えているのでしょうか。

中学高校の英語教育のように単語や文法をひたすら覚える学習はしていません。
外国語を勉強する究極の目的は「その言葉を使ってコミュニケーションをとること」だと思うのですが、
残念ながら日本の学校教育では、実際に会話をしてコミュニケーションを取る訓練がほとんどされていないのが現状です。

スクールでは、自分が言いたいことを瞬間的に英文に組み立てて口から出せるようにする力を養います。
私はこれを、「英語の絶対感覚」と呼んでいるんです。
英語を話せる人は誰でも、この「絶対感覚」を持っているので、自由にコミュニケーションを取ることができるのです。
多くの日本人がこの感覚を身につければ、英語を日本人のもうひとつの言語にすることができます。
これを実現することが私の最大のミッションです。

──話すトレーニングを積み重ねることで英会話を覚えるのですね。
しかし、英語で自由にコミュニケーションをとるためには、やはりたくさんの単語や文法を覚える必要があるのでは?

防衛省で働いていた時代に驚いたことがあるのですが、実は世界のリーダーたちは、
すごくシンプルな英語を使って話しているんです。
誰もが分かるシンプルな英語だからこそ、多くの国の人の胸にメッセージが強く届くんです。

実は、会話をするために必要な動詞はわずか45個。
その中でもいちばん大切なのが“get”です。誰もが知っている「手に入れる」だけでなく、
「起きる(get up)」「お給料をもらう(get paid)」「結婚する(get married)」など、
“get”を使うだけで、日常から、仕事、人生までびっくりするくらい色々なことが言えるようになるんですよ!

getをはじめdo、 make、 have、 takeなど中学で習った45個の動詞を使いこなしつつ、既に知っている単語や
かんたんな文法などの英語の知識を呼び起こせば、英語で話せることは無限に広がっていきます。

日本人もシンプルな英語でコミュニケーションができるようになればと思い、
まとめた英語学習法がDLSのオリジナルメゾット『English Core®』なんです。

──ダイアモンド ランゲージスクールは、教室というよりカフェのようなオシャレな空間ですね。

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わたしたち日本人は、個室で1対1で英語を話すことは割と難なくできるのですが、
オープンな場所で複数の人と話すとなった途端、人目が気になり話せなくなってしまう傾向があります。
私も日本生まれ、日本育ちなのでその気持ちはよく分かります。
だからこそ”World Café” と呼んでいる、このオープンな外国空間をつくりました。
ここには外国人の講師や日本人バイリンガルスタッフ、保護者や休憩している生徒など色々な人がいます。
こうした空間で英語を使うことに慣れ、一歩外へ出た時にも堂々と英語で話せるようになることを目指しています。

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遠方にお住まいの方や、忙しくてスクールに通えない方もいるので、自分でスピーキングの練習ができる教材も
用意しました。
アプリを使って学習するので、タブレットやスマートフォンがあれば、いつでもどこでも英会話のレッスンを
行うことが可能です。
音声に従って、自分で英語を組み立てて口に出したり、ネイティブの発音を真似て実際に言ってみたり、
頭と口を最大限に使う大量のアウトプットトレーニングを繰り返すことで、
英語で文章を作り口に出す力を身につけることができるんです。

LIFE我が子の可能性を広げてくれる英語

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──プライベートではどのように過ごされていますか。

5歳の娘がいるのですが、近くに住む母や、家族ぐるみでおつき合いしているシッターさんなど、
周りの人にサポートしてもらいながら仕事と子育てを両立しています。
実は、娘が生まれた時から、この子がどうやって日本語を身につけていくのかずっと観察していたんです。
そうしたら、大人が言ったことをとにかく真似して繰り返して発音しながら、
どんどん言葉を覚え、文章にしていくようになることが分かりました。
時々、わざと速く話して反応を見るなど実験台にしてしまったり(笑)。
子育ての経験も「English Core®」メソッドを考えるヒントになりましたね。

平日は仕事が忙しくなかなか向き合ってあげる時間がないのですが、娘もスクールに来て
外国の先生や日本人のスタッフなど、年齢性別も様々な人たちと英語で話す経験をしています。

──小さな頃から英語に触れる機会があって良いですね。娘さんにも英語を身につけてほしいと思っていますか。

そうですね。世界の共通語である「英語」を身につけると、こんなに世界中の人とコミュニケーションがとれ、
自分の可能性も広がるんだということを、実感してくれたら嬉しいです。

LIKE外国の物語の世界に魅せられた幼少期

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──中野さんが最初に英語に興味を持ったきっかけは何だったのですか。

「意外だ」と驚かれるのですが、小さい頃は家の中で静かに遊ぶ大人しい性格で、本を読むことが
大好きだったんです。
特に世界文学全集を片っ端から読み、外国の物語を通して異文化への興味が深まっていきました。

また、当時のテレビ番組で、日本人女性が世界の国を巡って、英語で現地の人たちとコミュニケーションをとる姿が
放送されていたんです。かっこいいなあ、私も海外に行って英語で色んな人と話してみたいなあと憧れていましたね。

──中野さんが考える、英語の魅力とは。

英語は飛行機だと思っています。
旅行でもビジネスでも、自分の行きたいところに連れて行ってくれる乗り物のような存在なんです。
自分が作った飛行機を飛ばせば、日本だけではなく、世界中の色々な場所へ行ってやりたいことを実現できます。

大切なことは、小さくていいので自分が作った飛行機にエンジンを積むこと。
自分の言いたいことを組み立てて口から出す力が、エンジンになります。
エンジンを積めれば、好きなところへ飛んでいけるのです。
多くの日本人は英語の知識を一生懸命勉強し、プラモデルの飛行機を作るのですがエンジンを積んでいない。
これでは、飾るための飛行機を作っているようなものです。本当にもったいないですよね……。
私が英会話スクールを始めた理由は、誰もが自分だけの飛行機にエンジンを積んで
好きなところへ飛んでいくためのメソッドを作りたかったからなんです。

CHANGE防衛省を辞めて、英会話スクールを開業

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──これまでの人生の中で、いちばん大きな転機はいつでしたか。

防衛省を辞めて英会話スクールを立ち上げたときですね。
それまでは日本の安全保障や防衛に貢献したいという思いで働いていましたが、次第に日本という国、
日本人全体の存在感を高めるような大きなミッションに挑んでみたいと思うようになりました。
防衛省を辞める時に迷いはなかったのですが、前例がないことだったので、
上司からは「冗談でしょ。聞かなかったことにするから……」と言われてしまいました。

スクールを始めたことで、国籍も年齢もバックグラウンドも超えて多くの仲間が同じミッションを共有し、
集まってきてくれて、イングリッシュ・コアメソッドやアプリの開発など、
これまでにできなかったことができるようになりました。
チームでミッションを実現する場を作り、その進化にコミットできたのは、人生において大きな転機となりましたね。

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──現在の仕事の中で、いちばんやりがいを感じる時はどんな時ですか

レッスンを受けた方達が、自信を持って嬉しい報告をしてくれる時です。
スクールでのレッスンの他に企業での研修も行っているのですが、
最初は「英語なんてとんでもない」と言っていた方が、終わる頃にはパーっと笑顔になり
「明日からはお客様にどんどん話しかけます」と言ってくれたり、外国人の先生と楽しそうにハイタッチをしていたり。
英語には人をポジティブに変える力があるのだと思います。
簡単な英語でも、自分で文章を作り、相手とコミュニケーションが取れたことが自信になるんですよね。
そういう変化を見られるのが、いちばんのやりがいです。

SENSE制約を設けず「No Limit」でチャレンジする

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──中野さんが大切にしているセンスとは

「No Limit」、つまり制約を設けないことです。
私が幸運にも出会った世界の魅力的なリーダーたちは、驚くほど柔軟で地位や年齢、性別に関係なく
優秀でやる気のある人たちを評価してくれます。
防衛省で働いていた若手時代には、他国のリーダーが立場の垣根を越えて、気軽に話しかけてくださることが
多々ありました。
すごいと思ったものは吸収し、良いと思ったものはすぐに試してみる。
とにかく制約を設けず何にもポジティブなマインドで取り組む彼らの姿勢は、とても勉強になりました。
私も、やりたいことがあれば迷わずチャレンジし、素敵だなと思ったものはどんどん吸収し、
常に変化、進化をしていきたいと思っています。

(2017/7/25 佐藤愛美)

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プロフィール
1971年生まれ。DLSダイアモンド ランゲージ スクール・校長。
英国立ロンドン大学大学院にて修士号を取得。
その後、防衛省に入省。歴代防衛大臣及び高官の国際会議における通訳を務め、国際広報、国際情勢分析などの国際関係業務に15年間従事。
2011年、日本人として始めて米国防省ペンタゴンに勤務。
2014年にDLSダイアモンドランゲージスクールを開校する。
最速で「英語」を「あなたの言葉」にするための革新的英語学習メソッド「English Core®」開発者。
大手企業の研修をはじめ、国立・私立大学でもグローバル人材開発教育を精力的に実施している。
http://www.dlsdiamond.com
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